マウスの肝がんに対して、肝がん細胞が正常化したというニュースだ。
画期的な報告ではあるだろうが、ただ、これをもってすぐ「がんの特効薬」となるわけではない。なぜなら、本来がん細胞というのは、正常細胞ががん化したものだが、これは最初からがん細胞を埋め込んでいる。
拒絶反応などでがん細胞が育たなかっただけなのか、投薬効果や免疫力でがん細胞を退治したのかはこれでは明かではないからだ。
いずれにしても、今後の研究に期待しよう。
<肝がん>細胞の大半を正常化 遺伝子など使いマウスで実現
9月2日2時30分配信 毎日新聞
マウスの体内の肝がん細胞の大半を、正常な細胞に変化させる新しい手法を、森口尚史・米ハーバード大研究員らのチームが開発した。肝がんの悪性度などに関与する遺伝子などを使い実現した。2日、米ボストンで開かれる「分子生命科学会議・幹細胞シンポジウム」で発表する。
チームは、まずがん細胞を作る「もと」になるヒトの肝がん幹細胞をマウスに移植し、肝がんマウスを作成した。この幹細胞に風邪の原因ウイルスと同種のアデノウイルスを使って、肝臓で働きが低下するとがんの悪性度を高める遺伝子「HNF4α」を組み込むことに成功。さらに、がん細胞が正常な細胞になる能力を高める働きがあり、海外では抗がん剤としても使われる2種類の化学物質を患部に投与した。
その結果、投与から60日後には体内の肝がん細胞の85〜90%が、見た目や機能が正常な肝細胞に戻り、染色体もがん細胞特有の異常が消えることが分かった。一方、治療したマウス8匹は実験から8週間後まですべて生存していたのに対し、何もしなかった同数のマウスはすべて死んだという。
森口研究員は「今後、安全性を確認し、人での治療を目指したい。完全にがんは消えないが、残りはがんの部位に電極を入れて焼くラジオ波を使えば、手術に比べ体に負担の少ない治療が可能になる」と話している。【奥野敦史】
画期的な報告ではあるだろうが、ただ、これをもってすぐ「がんの特効薬」となるわけではない。なぜなら、本来がん細胞というのは、正常細胞ががん化したものだが、これは最初からがん細胞を埋め込んでいる。
拒絶反応などでがん細胞が育たなかっただけなのか、投薬効果や免疫力でがん細胞を退治したのかはこれでは明かではないからだ。
いずれにしても、今後の研究に期待しよう。