健康一番大作戦

健康とは何かを追及します!

スケプティクス

『サイゾー』(2009年8月号)では、食品化学新聞社に「健康食品業界」の近況をインタビューしている。
業界全体が厳しい中で、企業は生き残りをかけて、より確実にデータの裏付けを取るようになりました。今の食品表示制度では、厚生労働省が認可した特定保健用食品(トクホ)以外は、企業が機能性のデータを取っても消責者の目に触れるところでは公開できないという制約がありますが、企業は自主的に行い、きちんとしたものを売ろうとしています。消責者の理解が進み、安い商品に集中せずにきちんと選別しているからです。データを確実に集めることで業界内でもl目置かれているのは、「富士化学工業」や「インデナジャパン」 でしょうか。そのノウハウがなく、安さだけで勝負しようとする企業は厳しいかもしれません。「健康食品」 の定義は実は暖昧で、法による規制がありません。トクホの表示許可が出ているものは約850品ありますが、審査が厳しいし、コストがかかるので中小企業は手を出しにくい。このため、中小を中心に、トクホに次ぐ規定を作ろうという動きもあります。 いま業界が注目しているのは、「日本ハム」が総合医科学研究所と共同で開発し、疲労軽減作用でトクホ申請を行っているイミグゾールジペプチドという成分を配合したドリンクです。これが認められれば、すごいことになりますよ。将来、「疲れが軽減できる!」と明記した商品が店舗に並ぶかもしれませんから。
注目したいのは最後の3行だ。さて、はたしてそのような商品が並ぶか、見物である。

「読売新聞」に、「葉酸で抗がん剤タキソール効果3倍…京大のグループ発表」という記事が出ている。
 卵巣がんや乳がん、胃がんなどに効果があるとされる抗がん剤「タキソール」に天然ビタミンの「葉酸」を吸着させることで、マウスのがんに対する増殖抑制効果と延命効果が生まれることを、京都大再生医科学研究所の玄丞烋准教授(生体材料学)のグループが確認し、学会で発表した。(中略) グループは、薬物を標的部位まで運び、水にもよく溶ける高分子多糖類の「デキストラン」とタキソール、葉酸を水溶液の中で混ぜて1晩放置し、マウスに投与。その結果、葉酸と結合したタキソールは、通常に比べて抗がん効果が約3倍、延命効果が約2倍になったという。
タキソールというと、「20世紀最高の抗がん剤」などといわれているが、副作用も強い。それだけに、効果が高まるというニュースはいい話だ。

桃山学院大学の高橋ひとみ教授(健康教育学)が考案した、子供のための「眼精疲労改善トレーニング」が注目されています。

それは、簡単に言うと毛様体筋のストレッチです。毛様体筋というのは、目のレンズ(水晶体)を調節して視力の焦点を合わせる筋肉のこと。勉強やゲームで近くを長時間見続けるほど緊張し、遠近の調節機能が損なわれます。そこで、毛様体筋のストレッチを行い緊張を解くわけです。

では、具体的にどうするのか 

未使用の鉛筆2本と、直径5ミリ程度のランドルト環(視力測定に使われる一部分が切れた円)が書かれたシールを用意。

そして、2本の鉛筆の上方に1枚ずつシールを張り、腕を軽く曲げた状態で、鉛筆の間隔が約30センチになるように持ち、(1)顔を動かさないで左手に持った鉛筆のシールの切れ目を両目で約3秒見つめ、(2)同様に右手の鉛筆を見つめ、(3)次に鉛筆の間隔を少し広げ、(1)と(2)を繰り返し、(4)今度は右手を下、左手を上にして、(1)と(2)を繰り返すのです。

時間は計約3分間。両手の位置や間隔を変えながら繰り返します。

すると、右目近見視力0.8未満の1年生グループ(17人)で、実施前の平均0.52が実施後には平均0.79に向上したそうです。

みなさんもいかがですか。。

「日刊ゲンダイ」(2009年7月6日付)では、「細菌で細菌を殺す新治療開発」というタイトルの記事を掲載している。開発したのは豪バイオ技術ベンチャー、エンジェネイック社の研究者らだ。
オーストラリアの研究者らがこのほど、細菌から作った薬剤入りの微小な細胞を「トロイの木馬」として、がん細胞に直接送り込んで殺す手法を開発したと発表した。 ネズミなどの動物実験では明確な効果を上げており、がん治療に新たな道を開く可能性がある。 薬剤入りの微小細胞は、がん細胞が取り込んでしまうよう表面が偽装されている。最初に「トロイの木馬」でがん細胞の薬に対する抵抗力を失わせ、第2波の抗がん剤で殺す。ヒトヘの有効性や安全性が確認されれば、がん細胞が薬剤への耐性を持つ問題を回避するとともに、副作用も軽減できると期待されている。
要するに、がんそのものの治療に対する新機軸というより、抗がん剤の耐性や副作用を改善できるかもしれない、ということだ。 副作用が軽減されたからといって、奏功率が高まるとは限らないし、耐性の問題が解決したからといって、寛解(完治)の割合が高まるとは限らないが、抗がん剤が有力ながんの場合、治療に大きな力となるだろう。

「日刊ゲンダイ」(2009年7月3日付)では、「皮膚がん治療に発光張り(ママ)薬」という記事が出ている。
 張り薬は普通、ちょっとした切り傷やすり傷の治寮に用いられるが、英国ポリメトロニックス社は張るだけで皮膚がんも治るという、発光する張り薬を関発中であることを発表した。 その発光張り薬は、一連の有機発光ダイオード(OLED)をしみ込ませてあり、感光性のクリーム状の薬を皮膚に塗布する光力学的薬物瞭法に用いられる。この療法では赤い光を贈射すると、薬品が活性化し、皮膚から浸透して腫瘍を破壊する。赤い光の照射には、高価なランプとレーザーが必要で、治療は病院で受ける必要があるが、発光張り薬の開発で、自宅治療も可能になるとポリメトロニックス社は期待している。 同じく英国のルミキユア社も同様のOLEDを開発中といわれる。
はたして奏功するか、楽しみだ。

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